和菓子を作ってみませんか?
美味しい料理を食べたあとは甘いデザートを食べたくなるのは人間の摂理というもの。
和食のあとはもちろん、美味しい和菓子です。
でも、和菓子はつい既製品で済ませてしまっていませんか。
それはもったいない。ぜひ、自分で作ってみましょう。
ということで、あの「とらや」で長年和菓子作りに携わって来られた伊藤さんと山本さんをお迎えしての、超スペシャルな和菓子作り体験会を開催しました。
参加のみなさんに作っていただいたのは、新春にふさわしい「求肥練切」と外郎生地の「花びら餅」。それぞれ下準備は事前にしていただき、当日は材料の温め方、冷まし方、生地の伸ばし方など、製造工程のポイントを本当に細かく丁寧に教えていただきました。と書いてくると、とても堅苦しい会に聞こえそうですが、伊藤さんはちょいちょいアドリブやちょっと裏話的な楽しいネタを披露してくださり、笑いと歓声が途切れない会場だったんですよ。伊藤さんのお話だけでも参加いただいた価値があるのではないかと思うような貴重なお話もありましたし。
和菓子の生地はどんどん変わっていきます、まるで生き物のようです。どんどん乾燥はするし、手の熱で柔らかさも変わってしまいます。生地の厚さ、柔らかさのバランスで食感は全く別物にもなってしまいます。作れるようになった嬉しさと、和菓子の奥の深さを垣間見て職人の方の凄さを改めて実感することができた素晴らしい会でした。

開催前、最後のチェックをされる伊藤さん(右)と山本さん
木型を使って型を仕上げます。先生のデモに参加者も真剣そのものです。
木型から抜けば出来上がりです。美しい木型ですが、木型を作る職人も少なくなり、現在入手は難しくなってきているそうです。

各自で作りますが、先生は「伸ばす時の大きさ」「生地の厚さのバランス」「片栗粉の付け方、払い方」等々、全ての工程に目を配ってくださいます。
紅いろが薄いように見えますが、これが裏から透けて見える時の品のある色味なんですね。
生地は30g、直径9cm(ゴボウが10cmなので、左右に5mmづつ出て美しくなります)。
伊藤さんが外郎生地を30gずつちぎってくれますが、これが見事に毎回30gぴったり!「これは29gかな?」と仰った時は29gジャスト!経験とはいえ凄い!
花びら餅の芯は「蜜漬けゴボウ」ですが、3日かけて仕上げてきてくれています。ゴボウは皮と身の部分の浸透圧が違うので水煮から糖蜜に漬け、さらに濃さを変えて火を加えて止めて、放置して、、、本当に手間がかかっている事を知りビックリです。
作った和菓子は、試食用とこのようにお土産で持って帰っていただきました。
参考までに、右が先生の作品、左は私の作ったもの。うまくいったかなと思いましたが、並べてみると残念ながら全然ちがいました、、。でも帰って美味しくいただいましたよ。

みんなが作り終わった後に、伊藤さんがデモンストレーションで和菓子づくりを実演してくださいました。

「ハサミ菊」これはお店のメニューに無かったので長いこと作って来られなかったそうですが、最近もう一度作ってみたくなったということで「今練習中」という断りを入れることで掲載許可をいただきました。このハサミを作る職人もほとんどいなくなってしまったということです。
「ハサミ菊」を除けばそれぞれ1分程度で作られたのではないでしょうか。上段左から「桜」「桜」「すずらん」中段左から「なでしこ」「ハサミ菊」「菊八等分」下段左から「寒牡丹」「白鳥羽をたたんで昼寝中」
伊藤さん、山本さん、ありがとうございました。
終了後次回の計画も持ち上がっていましたので、和菓子の新鮮でそして驚きの体験をどうぞお楽しみに。