神田にある豊島屋本店。創業は遠く慶長年間関ヶ原合戦(1600年)の時代に遡ります。ひな祭りの白酒発祥の蔵でもあり、現在も東村山でお酒を作っています。
同社は今「プレミアムなみりん」を作り、世界的なコンペティションIWCでリキュール部門としてゴールド受賞しています。
今回は江戸時代から続くみりんに新たな魅力を発信し続ける豊島屋と江戸料理のの第一人者である「うすいはなこ」先生に登場いただき、江戸料理とみりんのマリアージュを堪能していただきました。
うすい先生の料理は研究に裏付けられ、手間を惜しまず、伝統を守りながらも現代の味に合わせた愛情が染み込み、わかりやすい解説は聞く人を遠い江戸に誘い、誰をも幸せにしてくれる江戸料理でした。
うすい先生から「Me」を使ったコメントをいただきました。
【鯵のみりん干】折角「Me」を使えるので、味醂干しを本気で作ってみようとトライしました。通常の味醂干しのように身の薄いアジではなく、旬のアジを使いました。味醂干し=ベタベタ硬い、というものが本来の味醂干しではない気がして、昔から伝わる製法で作ったところ、締まりはあるが、アジの食感のあるものに仕上がりました。「Me」自体のもつ品の良い味わいが残るように作れたことが最大のポイントだと思います。
その漬け込みだれを使ってなにかできないかと考えたときに、茄子の蒲焼という古典料理に行きつきました。
【茄子の照り焼き丼】茄子の蒲焼は鰻の蒲焼のもどき料理。もどきとはいえ、本気で鰻を作るイメージで作ったはずです。みりんの役目はうなぎのコクだと思います。今回はさとうを使用せずに作ったので、通常よりさっぱり目でしたがアジの風味も残ったので、飯友としてよい味わいになったと思います。
【Meについて】まず美味しい、ということ。調味料も素材もおいしくなくては料理はおいしくならない。Meが美味しいから、おいしくできる。当たり前ですが、それぞれ力のあるものを使うことで、いつもの料理がレベルアップすることを改めて感じました。
お酒はみりんの江戸時代に飲まれた伝統的なカクテルや日本酒ファンで人気の屋守や地元神田でも人気の金婚、利他など多数用意して、料理に合わせて飲んでいただきました。
・・『江戸酒みりん酒と江戸料理』の会は、宵の帷が降りる頃、落語「青菜」が流れ江戸の情緒を醸し出す中、日本最古のカクテルとも呼ばれる「柳蔭(本直し)」と「青菜の浸し」で幕が上がった当日の料理と酒は、
◾️先付
・江戸卵焼 みりん入り
・煮豆
・はじき葡萄
・人参のごま和え
・栗 渋皮煮
・めざし
『dance(blue)』&『江戸っ子超辛口』
◾️碗物
・から汁
『しめ縄(燗冷まし)』
◾️おつくり
・ひらめ 煎り酒みりん味
『提灯(燗)』
◾️揚物
・揚げ銀杏 鯖の南部揚げ
『屋守(おくのかみ)』純米中取り無調整
◾️焼物
・鯵のみりん干 すれんこん
『屋守(おくのかみ)』純米吟醸無調整
◾️煮物
・鮎の煮浸 みょうが かぶ
『山廃純米』
◾️〆
・茄子の照り焼き丼
・味噌汁
・ずいき酢漬け
◾️甘味
・梨の琥珀煮 みりんソルベ