【レストラン会開催報告】シンスケ
マッキー牧元と行くシンスケは一味も二味も違った!
創業大正十四年。学者、文士など粋人たちに愛されてきたこの店は、平成四年に建て替えられたが、100年を迎えても、凛とした雰囲気は変わらない。
客筋がよく、正しき酒飲みが静かに楽しむ空気に、背筋が伸びる。
店頭には大きな酒林。曇りガラスに「シンスケ」と透かした板戸を引けば、「いらっしゃいませ」と、威勢のいい声かかる。
今は四代目の矢部直治さんが取り仕切る「シンスケ」は、居酒屋文化を生んだ東京を代表する、いや日本を代表する居酒屋である。
店名の前に「正一合(しょういちごう)の店 シンスケ」とあるのは、7勺や8勺しか徳利に入れないで出す店が多かった大正時代にあって、日本酒を正しく一合、正確に量り売りしてお出ししていますよと、うたっていた名残である。
そんな商いの律儀さは、店内にも凛と漂い、店に入った瞬間に背が正される。
客の九割が年配の常連客で、酔いすぎることなく、大声を出すこともなく、整然と飲んでいる。
酒は創業来、秋田の「両関」一筋で、辛口の本醸造、やや甘口の純米酒、10月から4月限定の心地よい香りを伴うたる酒という3種類である。
飲み方は、熱燗、ふつう燗、ぬる燗・常温・ちょい冷、夏には、樽に入れた氷の中でキンと冷やした氷冷かを楽しめる。
肴はどれもとびきりに美味しいのだが、居酒屋としての分をはみ出さないことを心がけ、決して酒や話の邪魔をしない。
さらに盛り付けの美しさは他に例を見ないだろう。
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